卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

観光学専攻(修士:観光学)


「観光文化、観光振興、観光産業・事業を研究領域とし、わが国の観光産業の発展と観光を通じた地域づくりの実践に資する高度な専門職業人を養成する」という本研究科の目的を達成するため、下記の通り修士課程修了までに修得すべき能力を定める。これらの能力は研究科の所定単位修得と修士論文審査および試験の合格により、その達成を判断し、学位規則に従い修士(観光学)の学位を授与する。
<教育目標:修了までに修得すべき能力>
①観光産業の発展および観光を通じた地域づくりの実践に資する高度な専門的理論および応用知識
②わが国の観光産業および観光を通じた地域づくりに貢献し得るコミュニケーション能力
③高度な専門職業人として要求される汎用技能

<卒業認定(修了)・学位授与>
下記の要件をすべて満たす学生は修士の課程を修了したものと認める。
①本研究科に2年以上在学すること。ただし、特に優れた業績を上げた者については、本研究科に1年以上在学すれば足りるものとする。
②必修科目6単位、選択科目24単位以上で最低必要単位数30単位以上を修得すること。
③必要な研究指導を受け、修士論文を提出し、審査および試験に合格すること。
*職業を有しているなどの事情により、2年を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し修了することを希望する学生がその旨を申し出た時には、長期履修学生として認める。

【単位修得】
教育課程から、必修3科目6単位、選択科目A類・B類・C類の各区分から4単位以上、D類から6科目12単位以上、併せて30単位以上を修得することが必要である。

【修士論文審査】
修士論文は、概ね以下のような基準により評価される。
①論文で用いた分析概念および研究内容に独創性がみられる。(独創性)
②テーマおよび問題意識ならびに論理構成および結論が明確である。(明確性)
③先行研究の吟味および調査研究の吟味が十分なされている。(信頼性)
④適切な表現、専門用語を用いていて、結論に導くまでの論文構成が妥当である。(妥当性)
⑤将来、観光研究の蓄積および観光事業・観光振興に寄与できる。(将来性)

【面接試験】
面接試験は、概ね以下のような基準により評価される。
①論文の論旨が明確である。
②論文の説明がわかりやすい。
③質問に対して的確に答えている。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)


観光学研究科観光学専攻は、わが国の観光産業の発展と観光を通じた地域づくりの実践に資する高度な専門職業人を養成することを目的としており、この目的を達成するため教育課程は「観光文化」、「観光振興」、「観光産業・事業」領域から編成されている。

【教育課程】
①授業科目は「必修科目」と「選択科目」で構成されており、「必修科目」の「観光研究テーマ演習」「修士論文指導演習Ⅰ・Ⅱ」の3科目6単位は学生が観光学の学識を深め、研究テーマに関わる思考力を育成する上で不可欠な授業科目として位置づけている。

②観光学の理論に関しては選択科目の A 類に、方法に関しては主として選択科目の B類、C 類、D 類に、応用に関しては主として選択科目の B 類、D 類に配置している。必修科目に配置されている 3 科目は修士論文または課題研究(特定の課題)作成のための個別指導に重点を置いたものであり、1 年目に論文構想、2 年目に論文作成といった段階的編成となっているが、長期履修(3 年~5 年)の場合は履修期間に応じて指導体制を整えている。

③観光学研究は様々な観光場面を対象としているため、D 類の科目数は他類より多く配置している。

④学生の能動的学修の充実を図るため、適宜、学生が研究のためフィールドで学ぶ機会を用意している。
 D類に配置されている科目では学生の思考力、判断力の妥当性、信頼性を確認するため、フィールドワークの機会が用意されており、地域社会等との接触の中で協同する姿勢、自己の思考力、判断力を磨き、実践力を身に付けることになる。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)


観光学研究科観光学専攻修士課程はわが国の観光産業の発展と観光を通じた地域づくりの実践に資する高度な専門職業人を養成することを目的としている。
【求める学生像】
本研究科は上記目的に賛同し、観光文化、観光産業・事業、観光振興に関心を持ち、これらの分野の専門知識、技能を身に付け、自主性、課題解決能力を培い、将来、地域社会、国際社会で広く貢献できる人を求める。
なお、学士課程等において下記の姿勢、能力を身に付けていることを求める。

①観光学および地理学、経営学、経済学、社会学などの関連領域についての基礎的知識を有している人
②研究論文の素地をなす文献、資料の収集・検討を積み重ねた経験を有する人
③フィールドワークなどを中心とした実証研究に対する積極的な姿勢を有する人
④社会の事象に対して常に関心をもつ感性を有している人
 また、すべての入学希望者には入学前に面談を実施し、入学後の研究計画や履修計画に関する相談の場を設ける。

教員一覧■専任教員

有澤 恒夫/教授・研究科長・修士(国際経営学)
【担当】観光宣伝研究、観光振興研究演習
池見 真由/教授・博士(経済学)
【担当】観光文化文献演習、観光文化特殊講義、アウトドアレクリエーション計画、観光経営演習、観光文化研究演習、観光文化研究
河本 光弘/教授・博士(工学)
【担当】観光振興文献演習、観光・地域政策演習、観光目的地研究、観光産業、事業文献演習、観光振興特殊講義
杉江 聡子/准教授・博士(国際広報メディア)
【担当】観光情報メディア演習、観光調査法
藤崎 達也/准教授・学士(商学)
黄 旭暉/准教授・博士(国際文化)
【担当】観光産業・事業研究演習、国際観光研究
斉藤 巧弥/講師・博士(学術)
【担当】観光研究テーマ演習
田村 こずえ/講師・修士(観光学)
【担当】観光振興研究
研究科の特色
観光の諸問題を総合的に研究するのが特徴です。
観光文化、観光振興、観光産業・事業、以上三つの諸問題に関して
社会学、地理学、文化人類学、経営学、心理学といった複数の学問的知見を用いアプローチします。
本研究科は、観光の諸問題に関心のある方に広く門戸を開いています。
観光文化研究
観光文化研究の分野は、主として学部の観光文化領域を基礎とし、観光が形成し、あるいは影響を与える事象について地誌・地理学、文化人類学、社会学といった基礎学問領域の視点から追求するものです。
観光振興研究
観光振興研究の分野は、主として学部の観光新興領域を基礎とし、観光を通じた地域づくりについて建築学・都市計画学・交通学といった基礎学問領域の視点から追求するものです。
観光産業・事業研究
観光産業・事業研究の分野は、主として学部の観光産業領域を基礎とし、地域と観光事業のあり方、航空・旅行・宿泊業等の観光産業の市場動向、事業戦略、顧客管理等について社会学、経営学といった基礎学問領域の視点から追求するものです。

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カリキュラム

必修科目
  • 観光研究テーマ演習
  • 修士論文指導演習Ⅰ
  • 修士論文指導演習Ⅱ
選択科目
  • ◎A類
  • 観光文化特殊講義
  • 観光振興特殊講義
  • 観光産業・事業特殊講義
  • ◎B類
  • 観光文化研究演習
  • 観光振興研究演習
  • 観光産業・事業研究演習
  • ◎C類
  • 観光文化文献演習
  • 観光振興文献演習
  • 観光産業・事業文献演習
  • ◎D類
  • 観光目的地研究
  • 観光振興研究
  • 観光ビジネス研究
  • 観光文化研究
  • 国際観光研究
  • 観光経営演習
  • 観光・地域政策演習
  • 観光宣伝研究
  • アウトドアレクリエーション計画
  • 観光情報メディア演習
  • 観光調査法
修士論文研究例
  • 台湾における日本人観光客の地方観光地への誘客に関する研究 -阿里山地域を事例として-
  • 北海道における観光農園の実態及び中国東北部の観光農園に与える影響に関する研究 -北海道余市町山本観光農園を事例として-
  • 台湾における花をテーマとした観光地形成に関する研究 -日本の富良野・美瑛地域と台湾の新社区の比較を通して-
  • 北海道におけるタイ人観光客・誘致と受入に関する基礎研究
  • 地域の史的考察による複合観光対象の創出に関する研究 -北海道蘭越町を事例として

観光学研究科の沿革・教育目的

平成13(2001)年4月に観光学研究科観光学専攻修士課程(入学定員10人)が開設されました。
観光学部を基礎とする研究科であり、観光文化、観光振興、観光産業・事業を研究領域に掲げ、観光産業の発展と観光を通じた地域づくりの実践に資する高度な専門的理論および応用知識を教授研究し、わが国の観光産業ならびに観光を通じた地域づくりに貢献し得る人材育成を目的としています。

注目の授業・ゼミナール

観光研究テーマ演習
観光研究テーマ演習写真 研究テーマの設定、フィールドワーク、データ解析に必要な知識や技術を見につけ、観光学の方法論的基礎を修得する。また修士論文の大枠を決め、資料収集を指導のもとで行う。
観光・地域政策演習
観光・地域政策演習写真 地域づくり、観光対象化の実際を現場で理解することに主眼を置く。具体的には、公的セクターの果たす役割、地域づくり・観光地づくりの基本的考え方、公的セクターの実例解説、新たな協働の試みなどである。