2024/07/10 学部・学科
2024年6月23日、観光学を専攻する学部生と大学院生が北海道白老町を訪問し、アイヌ文化の復興と発信を目的とした国立施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」にてフィールドワークを実施しました。
今回のフィールドワークは、陳ゼミ、呉ゼミ、池見ゼミの3ゼミ合同で行い、計30名が参加しました。
日本人学生も、外国人留学生も、学部生も、大学院生も、学年・国籍問わず皆で仲良くグループで行動しながら、楽しくかつ真面目に取り組んでいる様子がとても印象的でした。
池見ゼミ(大学院)
観光文化領域の科目を受講し、先住民文化観光の現状と課題について研究を行っている大学院生が、「先住民文化の保全と継承、人々の理解促進を目指した観光資源としての活用」というテーマで、今回のフィールドワークに参加しました。
ウポポイ施設内にあるアイヌ文化紹介コーナーを訪問し、弓矢の使用を実演してみたり、歌や物語を視聴したり、民族衣装を試着したり、伝統舞踊をステージで一緒に踊ったりと、複数の体験的な学びを通して様々な考察を得ました。
陳ゼミ(2年)
「観光英語」を専門とし、現地調査で得られた情報に基にホームページやリーフレットの制作を行っているゼミで、今回はウポポイの見学の他、白老駅とその周辺も視察散策して、地域全体の魅力的な場所や改善点を発見することを目的としたフィールドワークを行いました。
人口減少を抱える白老町が、もっと国内客やインバウンド客を増やすためにはどうしたらよいかについても模索し、これらの調査結果は授業でまとめ、プレゼンテーションやディスカッションを行う予定です。
呉ゼミ(2年)
「観光地の多言語対応の現状と課題および多言語で北海道の魅力を発信する」というゼミテーマのもと、アイヌ文化の復興・創造・発展のための拠点となるウポポイを視察し、施設内の多言語対応や音声ガイド、ピクトグラム使用の現状を調査・分析し、問題点や改善点を明らかにすることを目的にフィールドワークを行いました。
また、SNSを活用してアイヌ文化およびウポポイや白老エリアに関する情報や魅力を韓国語で発信しました。
学生たちは、天候に恵まれた日曜日の丸一日、元気いっぱいウポポイの施設見学や様々な文化体験プログラムに参加し、アイヌの伝統的な文化や生活をより深く理解しました。
北海道新聞によると、今年ウポポイは開業から4年目を迎えましたが、2023年の来場者数は前年度より9.7%減少し、33万3097人でした。
開業当初から目標を掲げている年間来場者数100万人に対して大変厳しい状況ですが、こうした課題に向けた改善策や来場者をより惹きつける魅力やアイデアについて、本学観光学部・観光学研究科ではこれからも学生主体で探究していきたいと考えています。