2025/12/06 学部・学科
初の卒業生から日本語教師として羽ばたく学生が続々と誕生。
その中の一人、Kさん(多文化言語コース)が愛知県の日本語学校に就職内定。
2022年度に開設された人文学部国際教養学科は、今年度ついに4学年が揃い、2026年3月に初の卒業生を送り出します。
現在、複数の学生が日本語教師としての道を志し、そのうちの一人である多文化言語コース4年のKさんが、愛知県の日本語学校へ日本語教師として就職内定しました。
本学科から日本語教師として巣立つ初期の世代が着実に広がり始めています。
Kさんは「外国の文化に触れ、人と深く関わりながら働きたい」という思いから入学し、4年間の学びを経て夢を形にしました。今回はその歩みをご紹介します。
日本語教師との“出会い”はオープンキャンパス
Kさんは、高校時代に札幌国際大学のオープンキャンパスで 日本語教師についての説明を聞いたことが大きな転機になりました。
なぜ心を動かされたのか――それは「教えることを学ぶための仕組みが、教室の座学だけにとどまらず非常に実践的だった」からです。パンフレットや一般的な説明では見えにくい「必修の短期留学プログラム」「実際に外国の大学で行う長時間の教育実習」「留学生と混成で行う日本語教授法の演習」「学内外でのボランティア機会」など、現場で教える力を段階的に身につけられるカリキュラムが示されていました。加えて、教員が学生一人ひとりの進路や模擬授業の撮影まで丁寧にサポートする体制(実際に手厚い支援を受けることになった点)も紹介され、「ここなら教員として現場で使える力が本当に身につく」と強く感じた――
それが、Kさんが札幌国際大学を選んだ決め手です。
Kさんが最も大きな成長として挙げたのは、「多様な考え方を持つ仲間と出会えたこと」。
本学には多国籍の留学生が多く在籍し、授業内外で交流が生まれます。
“留学で出会った仲間と励まし合いながら成長できた。あの経験が今の自分の基盤になっていると思います。”
国際教養学科の必修である短期学外学修。
Kさんにとって 人生初の本格的な海外経験でした。
・英語レベル別クラスで基礎から学習
・世界各国の学生と授業を受ける
・ホームステイ先の家族と交流し、文化を体感
“英語が全く話せない状態で行きましたが、毎日必死に話しているうちに少しずつ通じるように。仲間の存在がとても大きかったです。”
2年次には本学の協定校でもある中国・吉林省の吉林師範大学へ教育実習へ。
・2人1組で90分授業を担当
・授業準備や役割分担の調整に苦労
・学生に合わせた説明・単語の引き出しなど、実践力が向上
“長時間授業は大変でしたが、学生が理解してくれて嬉しかった。成長を強く実感した実習でした。”
Kさんは授業以外でも積極的に学びを深めています。
・台湾人留学生の友人と10日間の台湾周遊へ
・ゼミでは 韓国語で韓国語を教える授業を経験
・学内で「ハングル講座」を開講
香港出身の留学生と仲良くなり、ドイツ語の学習を開始
“留学生との出会いがすべてのきっかけでした。語学を学ぶ楽しさを実感しました。”
ボランティアでベトナム人へ日本語指導
札幌国際大学と連携するゴルフ場で働くベトナム人スタッフへ日本語ボランティア指導も経験。
就職前からすでに“教える現場”を複数体験しています。
Kさんが特に印象に残っているのは、「異文化コミュニケーション」と、日本語教師の資格取得に直結する「日本語教授法」です。
「異文化コミュニケーション」では、日本と海外の文化の違いを学ぶだけではなく、台湾の大学とオンラインでつないで相互に発表し合う実践的な授業を経験。プレゼンテーション力やコミュニケーション力が大きく伸び、海外プレゼンテーションコンテストにも挑戦するきっかけになりました。
さらに「日本語教授法」では、留学生と日本人が混ざった4名グループで10分間のミニ授業を行い、授業づくりの流れを最初から最後まで体験。教える側の視点や授業運営の方法を深く理解し、日本語教師としての基礎となる力を身につけることができました。
“異文化理解と教育の実践。どちらの学びも、日本語教師を目指す上で大きな土台になりました。”
Kさんが日本語教師としての道を選び、愛知県の学校への就職を決めるまでには、複数の先生による手厚い支援がありました。
中でもゼミ担当の趙恵真(チョ・ヘジン)先生は、企業選びに迷った際の相談やオンライン面接のアドバイス、日本語教師応募用の模擬授業動画の撮影、さらには模擬授業内容へのフィードバックまで寄り添い、精神面でも大きな支えとなりました。
また、先生は日本語教育の授業や日頃の相談を通して、Kさんが日本語教師としての将来像を明確にしていく重要な存在でした。
“先生方は少しの相談にも真摯に向き合い、成長を支えてくれました。実際に訪れた愛知の学校は、雰囲気が良く、自分の将来を描ける場所だと感じました。”
そして実際の就職活動では、都会すぎず田舎すぎない環境、ヨーロッパ系の学習者が多い点、校内の雰囲気の良さなど、自分に合う魅力が多かったことから、愛知県の学校への就職を決意。実際に訪れたとき「ここで働きたい」と思えたことが決め手になりました。
将来への思いと、これから大学を選ぶ高校生へのメッセージ
Kさんは、日本語教師として経験を積んだ先に“いつかヨーロッパで日本語学校を開く”という大きな夢を描いています。古い街並みや文化に魅力を感じ、語学をさらに磨きながら、現地で日本語教育に挑戦してみたいと考えています。
そして、そんなKさんが高校生に伝えたいのは「環境の大切さ」。
札幌国際大学で学んだ日々は、Kさんにとって“自分を変えてくれた時間”でした。
“人と話すことが好きな人は、この学科にすごく合っていると思います。
留学生が多く、多文化の中で学べる環境が、自分の視野を大きく広げてくれました。
自分の未来が変わるきっかけがたくさんある大学だと、4年間を通して感じています。
国公立・私立にこだわるより、心から『ここで学びたい』と思える場所を選んでほしいです。”
世界に向けて挑戦する力を身につけたい人にとって、
Kさんが歩んできた札幌国際大学での学びは、未来への確かな土台となっています。