2025/03/07 大学より
氷上の挑戦者・吉村紗也香（本学OG）さんの未来への一投
2025年2月、日本カーリング選手権で優勝を果たし、3月の世界選手権への出場を決めた「フォルティウス」のスキップを務める吉村紗也香選手。北海道常呂町出身の彼女は、札幌国際大学時代から日本ジュニアカーリング界のトップを走り続け、現在は母として、そしてトップアスリートとして活躍しています。
2026年冬季オリンピック出場をかけた戦いも控える中、競技への思い、家庭との両立、そして未来へのビジョンを彼女に聞きました。
カーリングとの出会いと大学時代の思い出
「同級生の影響でカーリングに興味を持ちました。小学4年生のときにジュニア教室で体験して、そこから本格的に始めました」
北海道常呂町では体育の授業にカーリングが組み込まれており、自然に競技に触れる環境があったとのこと。その後、大学でもカーリングを続けられる場所を探していたところ、札幌国際大学のオープンキャンパスで大学のサポート体制について説明を受けたそうです。その話を聞いて安心し、進学を決意されたそうです。
大学時代は、日本ジュニアカーリング選手権3連覇（2010年～2012年）や、パシフィック・アジアジュニアカーリング選手権3連覇（2011年～2013年）など、輝かしい成績を残しています。
特に印象に残っている試合について尋ねると、大学1年生の時のパシフィック・アジア選手権の決勝戦を挙げ、「最後の一投が今でも忘れられません。あの試合があったからこそ、初めて世界ジュニア選手権大会に出場することができたと思っています」と笑顔で答えてくれました。
2025年 日本カーリング選手権優勝の瞬間
「優勝が決まった瞬間は『やった！』という気持ちよりも『ホッとした』という感覚の方が大きかったですね」
今大会では、「予選から決勝までプレッシャーを感じることなく、試合を楽しんでプレーできた」「結果にとらわれすぎると硬くなってしまうので、目の前のプレーに集中することを意識していました」と、吉村選手は自身を振り返ります。
3度目の世界選手権へ～これまでの経験を生かして
吉村選手にとって、3度目の挑戦となる世界選手権が3月15日から韓国・ウィジョンブにて開幕します。
- 2015年（6位）：「初めての世界選手権で緊張が大きかった」
- 2021年（11位）：「コロナ禍での大会で調整が難しく、思うようなプレーができなかった」
「でも今は、世界のトップチームと互角に戦えるレベルまで来ていると感じています。今が一番いい状態なので、楽しみです」
長年の経験を積み重ねた今こそ、世界の舞台での飛躍を狙うチャンス。
オリンピック代表の座をかけた戦い
2026年冬季オリンピックへの出場権をかけた代表決定戦が9月に控えています。吉村選手にとっては、5度目のオリンピック挑戦となります。
「前回もつかめそうでつかみきれなかった悔しさを忘れていません。この4年間、覚悟を持って過ごしてきたので、今回こそ自分たちの力でつかみ取りたいと思っています」
その言葉からは、オリンピックへの強い思いが伝わってきました。
母として、アスリートとしての挑戦
2020年に結婚し、現在は1児の母として競技を続けています。
家庭と競技の両立について尋ねると、「家族の支えがなければ、カーリングを続けることはできませんでした。本当に周りに頼りながら、感謝の気持ちを持って競技に向き合っています」
母としての役割とアスリートとしての挑戦、その両方を大切にしながら日々努力を続けています。
後輩・ファンへのメッセージ
「今の国際大学の氷上部カーリングチームは、本当にレベルが上がっていますね。私たちの時代よりもさらに強くなっていて、選手一人ひとりの成長を感じます」
自身も在籍していた本学のカーリングチームについて、吉村選手は誇らしげに語ってくれました。日本カーリング界全体のレベルも上がり、若い選手たちが世界で戦える環境が整ってきていることに「嬉しさを感じる」とのこと。
「これからカーリングを目指す後輩たちには、挑戦する気持ちと諦めない心を大切にしてほしいと思います。自分の限界を決めず、どんどんチャレンジすることで、大きく成長できるはずです。私自身、大学時代にカーリングに打ち込んだ経験が今の競技人生につながっています。だからこそ、後輩の皆さんにも全力で取り組み、貴重な経験を積んでほしいです。」とエールを送ってくれました。
また「日頃から応援してくださるファンの皆さんには本当に感謝しています。皆さんの支えがあるからこそ、私たちは競技を続けることができています。これからもオリンピックを目指して全力で戦い、皆さんと勝利の喜びを分かち合いたいと思います。これからも温かい応援をよろしくお願いいたします！」とメッセージをくれました。
母として、そしてアスリートとしての挑戦を続ける吉村紗也香選手。多くの人を魅了し続ける彼女の熱い思いをこれからも札幌国際大学は応援しています。世界選手権、そしてオリンピック代表決定戦での活躍に期待したい。
