2024/11/12 学部・学科
令和6年10月31日、法務省矯正研修所札幌支所(東区東苗穂)で実施された「再犯防止×地方創生」政策ワークショップ型研修に、心理学科臨床心理専攻の学生が、矯正職員の方々、自治体や民間も含めた関係機関の方々と一緒に参加させていただきました。昨年に引き続き2回目の参加になります。
矯正施設と地域が連携して、再犯防止にも地方創生にもつながるような取組を小グループで検討するものです。
ファシリテーターの研修を受講した矯正職員メンバーのグループに、自治体や関係機関の方々と一緒に本学学生が入って、外からの自由な発想を取り入れながら矯正施設の取組を考えていくというワークショップでした。
授業で【司法・犯罪心理学】を学び、公認心理師カリキュラムの【心理実習指導Ⅱ】を履修する2年生が、授業で学んだ犯罪心理学や対人援助の知識をもとに四苦八苦しながら出したアイディアを、実務家である矯正職員の方々や自治体や関係機関の方々に理解いただけるように考えを整理して発表する機会にもなりました。
昨年は、「道内に点在する矯正施設を拠点として、スマホのアプリを使って地域ならではの除雪や買物難民といった困りごとに、矯正職員と施設収容者や退所者が対応し、居場所ややりがいを作り出すことで再犯を防止し地域と共に生活する」といった、学生ならではの自由なアイディアが発表されました。
2度目の本年は、昨年参加した先輩学生から昨年の研修の様子等を事前にリサーチして臨んだこともあって、心理学を学ぶ学生らしさを出そうと、「受刑者の方が、自分の挫折体験や失敗の経験をもとに自分を見つめ直すとともに、その体験や経験をもとに『悩み相談』を受ける」といった大人では考えつかないアイディアや、「地域支援と同時に活性化の拠点として矯正施設を位置付けるために、施設の一部を地元に開放し音楽やスポーツのフェスを開催する」といったアイディアも出されました。また、「農業王国北海道らしく、各施設に付設する農場で受刑者の方が生産する農作物をブランド化する」といった、直ぐにでも実現しそうなアイディアもありました。
参加した学生からは、「矯正施設は堅いイメージがあったが、職員の方々は気さくに話しかけて下さり、最初は緊張していたが、途中から思ったことをドンドン発言できるようになった」「大学に入学後、初めて学外に出て公式の場で発言する機会だった。何を言っても否定されることがなく、安心して話が出来た」「3年から始まる心理実習の実習先である福祉施設や医療施設で上手く職員の方と協働できるだろうかと漠然とした不安があったが、今回のワークショップで少し自信がついた」など、貴重な経験に大きな刺激を受けた様子がうかがえました。
「昨年参加した先輩に、この研修で刺激を受け矯正職員を目指して受験したと聞き、なるほどと思った」という学内サークル札幌国際大学BBS会に所属するメンバーもおり、矯正の世界を将来の選択肢としてより身近に感じた研修だったようです。