2021/08/28 学部・学科

コクサイ心理Vol.2発行について

今年2号目のコクサイ心理になります。

今年度の記事では、国際大の臨床心理の先生方にインタビューし、それぞれの受け持っている授業の内容などから、心理学の魅力や面白さなどを、皆さんにお届けしていきたいと思っています!今回は、佐藤先生と鈴木先生にインタビューをしました。

心理学の魅力が詰まった記事となっていますので、ぜひ、ご覧ください!

鈴木憲治先生へのインタビュー

Q1 なぜ臨床心理の教授になろうと思ったのですか?

A1 前職の家庭裁判所勤務時代に、大学に何度か講義に出向いたところ、非常に熱心に講義を受ける学生さんが多く、自分の大学時代と比べ、その旺盛な探求心に驚きました。その中の一人が、卒業時に私と同じ家庭裁判所調査官を受験してくれ、札幌の家庭裁判所に採用されました。
このことをきっかけに、自分の教え子の中から、自分と同じ思いを抱いて司法の一翼を担ってくれる人材が育ってくれればうれしいだろうと考えたためです。

Q2 心理学の面白さ・魅力はなんだと思いますか?

A2 人は、同じ光景を見て、同じ経験をしているにも関わらず、違ったとらえ方をする。同じ家に育ち、同じ両親に育てられながら、違った人生を送る。一人一人が、違った見方、考え方、感じ方のもとに、物語を創造していく。そして、お互いに影響し合いながら社会をつくり、日々の営みを送っている。
そういった横糸に、生・病・老・死という共通した縦糸で織りなす人間社会は、長い間携わっても理解できないことばかりで魅力的です。

Q3 「司法・犯罪心理学」の授業について紹介してください。

A3 少年院、殺人、ⅮⅤ、虐待。ほとんどの方が、自分には縁がないのであろうと考える世界を学びます。そのため、口で説明してもイメージし難い部分を、動画を駆使して補います。また、日々新聞やネットに上がっている記事をもとに、縁がないと思われた世界を、できる限り身近に感じていただきます。
学ぶにつれて、当たり前のように思っていた安心・安全な暮らしを支える“命を守る”心理学であることに気づいていただけると思います。 

佐藤徹男先生へのインタビュー

Q1 なぜ臨床心理の教員になろうと思ったのですか?

A1 もともと人の心理や行動に興味があり、なぜ人はこんなにも考え方が違うのだろうと思ったからです。大学で心理学を学び始めると、自分の中で漠然と考えていた事が、心理学の理論として詳しく説明されていてびっくりした経験がありました。そのような経験を通して、心理学が日常生活と様々な場面で関係していることがわかり、生きていく上でとても役立つし面白いと思い更に好きになりました。
専門はカウンセリング心理学という、人の生まれ育った社会文化的背景も含めて理解し、心理支援を行う学問です。 
            
Q2 心理学の面白さ・魅力はなんだと思いますか?

A2 無意識のバイアス(unconscious bias)という心理現象を初めて知った時には、とても驚きました。これは、主にアメリカで人種差別に関連して発展してきた理論で、自分では意識していないが、特定のグループへの偏見を持っていることです。自分では偏見を持っていないと思っている人でも、自覚していないところで偏見を持っていることが様々な研究で示されています。自分が思っている自分と、実際の自分が違うというところが面白いですね。

Q3 「心理学研究法」の講義内容について紹介してください。

A3 心理学研究法では、心理学の科学的な研究方法を学びます。一般的な心理学の授業では様々な理論やその理論がどのように日常生活に当てはまるかを学びます。これらの教科書に書いてある理論は、心理学者が勝手に想像して作っているわけではありません。
心理学ではまず、既存の研究を熟知した上で仮説を立てて、その仮説をデータを使って正しいかどうか説明をして、そしてやっと理論になります。この授業では、これらの科学的な証明の種類や方法を学びます。

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